小江戸川越の名物というと「サツマイモ」が思い浮かぶ方も多いと思いますが、
それは幕末以降のことです。
幕末より100年ほど前の小江戸川越は、
なんと関東でも有数の絹織物の産地でした。
川越は、江戸時代より織物の町だったのです。
そして、織物技術は受け継がれ、江戸時代末期に川越唐桟は誕生します。
川越唐桟とは?
唐桟(とうざん)とは、インドの西海岸からもたされた縞木綿のことです。
江戸時代以前より、唐桟は日本に入ってきていて将軍などに献上をしていました。
特色は、平織りで極めて細い双糸を使うことで、木綿でありながら絹そっくりの風合いを持ってること。
しかし唐桟は、その時代まだ大変に値段が高く、高価な木綿は江戸庶民には手の届かない代物でした。
江戸時代末期、安政の開国以後、欧米諸国から木綿糸が安く輸入できるようになりました。川越の商人「中島久平」は、いち早くこの点に着目し、当時絹織物の産地とし栄えていた川越周辺の機屋(はたや)に「唐桟」を織らせました。
出来上がった唐桟は、良質で安価であったため、爆発的に売れ、「唐桟」といえば川越と言われ、「川唐」の愛称まで生まれました。
川越唐桟を多くの人々へ
川越唐桟は、今に至るまで繁栄、衰退を経験してきました。
現在、川越唐桟は川越市内の呉服屋さんなどで購入することができます。
しかし、川越唐桟の名は必ずしもメジャーではありません。
そこで、川越唐桟を使用した小物を通じて、
「川越唐桟」を多くの人々知ってもらうと「川越唐桟振興会」があります。
色とりどりの縞柄から、1つ1つ手づくりでつくられる小物雑貨は、
着物ではもちろんのこと、日常でも使いやすいアイテムです。
縞は江戸の粋
縞柄は、江戸時代に「粋」を象徴するデザインとして、町人の間で大流行しました。
歌舞伎役者から庶民まで多くの人々に親しまれ、
浮世絵にも縞柄をきた粋な姿が描かれています。
縞柄は一見シンプルですが、様々な縞の種類があり、
何よりも飽きのこない長く愛せるデザインです。
生活に川越唐桟の縞柄を取り入れ、さりげなく粋を感じてみてはいかがでしょうか?