「七味唐がらし」はよく聞く言葉ですが、「七色唐がらし」はあまり聴き馴染みのない言葉かもしれません。
江戸時代、江戸では七味のことを「七色」と呼んでいました。
味ではなく色で表現するところが、江戸の人々っぽい感じがしますね。
なので文七さんの唐がらしは、江戸ルーツの唐がらしです。
唐がらしは地方によって調合する材料に違いがあります。
七色唐がらしは、下のとおり。
特に、「焼き唐がらし」は七色ならではの材料です。
文七さんが大切にしているのは、「風味」と「辛さ」。
そんな思いのとおり、香りがとてもいい! とくに山椒の香りが高く、食欲をかきたててくれます。
文七さんの大切にしていることがもう一つあります。
それは口上(こうじょう)!
七色を注文すると、文七さんはトントントンとリズム良い口上とともに、目の前で調合をしてくれます。
まずは、そんな七色唐がらし口上を見てください。
「まず最初に入れますのは武州川越の名産、黒胡麻
紀州は有田のミカンの皮、これを一名、陳皮と申します
江戸は内藤新宿八つ房の焼き唐辛子
東海道静岡は朝倉名産、粉山椒
四国高松の名産は唐辛子の粉、大辛中辛を決めて参ります
大和の国はケシの実が入ります
最後に野州日光、麻の実が入りまして七色唐辛子
大辛に中辛、家伝の手法
さっ、匂いはどうですか?
辛さ加減も自由にその場で調合いたします」
口上をきいてみて気づくことは、日本各地の材料がつかわれていること。
かんたんに旅行などいけなかった江戸時代の人々にとって、
七色唐がらしは見たことのない各地の材料をつかった夢のような調味料だったのです。
さらに、「武州川越」とは、まさにここ「小江戸川越」のことです。
各地の名産とともに川越が名を連ねるとは、小江戸町人としてうれしい限りです。
文七さんは、小江戸のノスタルジックな雰囲気が残る
菓子屋横丁にてお店を出し、
昔から変わらぬ粋でリズムカルな口上を披露しながら、
七色唐がらしを販売しています。
文七さんの大切にしていることは、
「七色の風味と辛さ」、「口上」、そして「小江戸」です。
そんな文七さんの思いをネットショップ上では、最大限にお伝えすることができません。
一度、小江戸川越を訪れる機会があれば、
小江戸の雰囲気、そして生の口上を楽しみながら
買い求めいただけると、
より「七色唐がらし」を楽しむことができます。
七色唐がらし 文七さん プロフィール
・故田辺一鶴氏の講談大学にに参加: 語りの基本を学ぶ
・日本大道芸・大道芸の会に参加: 大道芸を基礎から学ぶ
・「江戸売り声百景」宮田章司氏の指導を受け、共に各地で唐がらし売りを実演
・川越の菓子屋横丁にて七色とうがらしの販売
埼玉県川越市元町2
ホームページ:
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